このたびは、YILハイパーブックレット-ヴィジュアルアーカイブ-「幼鳥 - カイツブリ」をお買い上げいただきまして、誠にありがとうございます。
ここでは、ブックレットでは説明しきれなかったことや、訂正、追加情報などを提供させていただきます。どうぞご利用くださいませ。
撮影
神奈川県 横浜市-藤沢市2018年6月29日-2018年9月7日
ボディ:D500、D5600
レンズ:Nikon AF-S VR Nikkor ED 300mm F2.8G(IF)+TC-20E II
Nikon AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
裏話
3羽の雛の内の1羽が消えてしまった時、正直もう彼らの記録を撮るのをやめようかと思いました。このまま1羽ずつ減って行ったりしたら耐えられないと思ったからです。しかし、1週間後、残された2羽が力強く生きていることを見て思い直しました。自然界ではこういったことが日常的に起こり、親も子もそれを体験しながら成長するのでしょう。悲しいことですが、兄妹が天敵にやられるのを目の当たりにすることによって、危険予知能力が増大するのかもしれません。兄妹の犠牲は、残された子たちが生きるために役立っているのでしょう。
何も手出しはできませんが、犠牲になった子のためにも、残された2羽が無事に成長するところを見届けようと決意しました。
途中何度も親がいなくなったり、2羽の子供が行方不明になったりしましたが、最終的に親から離れ、独立して生きて行けるようになるまで追い続けました。毎週、行く度に「減っているかもしれない」とか「いなくなっているかもしれない」という心配でドキドキしながら通いましたが、これで安心して眠れるようになりました。
自然に対する意識改革
人間のエゴによって自然が破壊され、どんどん都市化が進み、彼らが住める環境は確実に少なくなってきています。また、外来種の問題も大きくなっています。釣り愛好家によるブラックバスなどの大型魚の放流、ミシシッピアカミミガメやカミツキガメ、外国産のスッポンなどが、飼えなくなったという身勝手な理由で大量に捨てられています。これらの外来種は野鳥の雛に対しては脅威となります。意識改革を行い、食い止めなければなりません。
個人の力は非力ですが、少しずつでも人々が自然に目を向けるようになってくれるように願っています。最後まで彼らの成長を記録しようと思ったのも、また、それをまとめてこのブックレットを制作したのも、そんな意識改革に少しでも貢献できないかという想いからです。地球は人間のためにあるのではなく、様々な生物で分け合って住んで行かなければなりません。
カイツブリの親子に教えられたことを、少しでも伝えられたら幸いです。
日光浴をする巨大スッポン
巨大なミシシッピアカミミガメ
(右はダイサギ)
公園に貼っていただいたプラカード
その後
メメもお兄ちゃんも大人っぽくなり、もう個体識別が難しくなってしまいました。幼鳥っぽいカイツブリが2羽、元気で生きていてくれれば、それだけで幸せです。彼らもいずれ伴侶ができたり、別の池に移動していったりすることでしょう。そして次の子孫を残して行くはずです。
私たちができることは、彼らが生きていくことができる自然環境を残して行くことだけです。
2018年9月17日
おそらくメメ
おそらくメメ
翼を広げて見せてくれた。
こんなに立派になりました。
おそらくメメとお兄ちゃん
おそらくメメとお兄ちゃん
2018年9月24日
おそらくお兄ちゃん。この日はメメは見つけられなかった。
2018年9月28日
お兄ちゃん(右)と年上の彼女と思われるペア。
おそらくメメ。
メメ。
メメ。
メメ。
メメ。
2018年10月1日
前日の9月30日は日本列島に大型台風が直撃した日で、各地にかなりの被害をもたらしました。彼らが無事に過ごせているのか、心配でたまりません。
翌日、台風一過で快晴になったため、すぐに公園に出向いて捜索を開始しました。
メメ発見。出迎えてくれた。無事でよかった。
翌日、台風一過で快晴になったため、すぐに公園に出向いて捜索を開始しました。
遠方の浮島にお兄ちゃん(左)と年上の彼女発見。無事だった。
メメ発見。出迎えてくれた。無事でよかった。
飛脚を見せてくれたと思ったら、
メメ。もうミシシッピアカミミガメに食べられてしまう大きさではない。
メメ。自力で魚を捕れることも見せてくれた。
メメ。
もうメメとお兄ちゃんの区別が危うくなってきました。
兄妹とも無事を確認できました。これで一安心です。
2羽とも首の縞はほとんど消えていますが、まだ幼鳥の面影はあります。このまま無事に育ってほしい。今年のこの公園に幼鳥は2羽しかいないようなので、幼鳥と成鳥の区別ができなくなるまで撮影は続けてみようと思います。
2018年10月6日
もうメメとお兄ちゃんの区別が危うくなってきました。
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